Tokyo #42
F1.2の甘美な世界。
2004年1月下旬、浅草の早田カメララボに併設されたフォクトレンダーサービスルームにてNOKTON 35mm F1.2 Asphericalをショートタイムレンタルした。このサービスの存在がまったく知られていないせいなのか、無料だというのに利用者がほとんどいないらしく、その年初めての人になってしまった。
曇天とはいえ日中に開放で撮ることなんて普段は皆無。わざわざ借りてきた大口径レンズということもあり意識的に開放付近を多用したが、現像したフィルムをスキャニングしてみるとそこに広がっていた世界に強く引き込まれた。開放から破綻のないシャープな描写、溶けるようなボケ、超大口径レンズ特有の薄いピント。しっとりとしたやわらかさを残しつつも絞るに従って画面全体がしっかりとしたものになっていく。単焦点レンズとしては歪曲収差が気になる程度に残ってはいるが、このレンズの持っている魅力からすれば微々たる問題。この世界一明るい35mmレンズがSummicron 35mm F2 ASPH. (PDF)よりもはるかに安い実売10万円程度なのだから素晴らしいとしか言いようがない。
わずか半絞りの違いとはいえSummilux 35mm F1.4 ASPH. (PDF)とはまったく異なり、太い鏡胴とガラスの詰まったその重みに特別な何かを強く感じさせる。僕としてはその"特別さ"がコンパクトさを重視する常用レンズにはならない気がしてSummicron 35mm F2 ASPH. (PDF)を1段明るくしたような性格のSummilux 35mm F1.4 ASPH. (PDF)を入手したけれど、NOKTON 35mm F1.2 Asphericalは構えるだけでもその"特別さ"を感じられるとてもエキサイティングなレンズだと思う。購入するのか借りるのかはわからないけれど、ぜひまた使ってみたい。
Posted by Kazuya Nakazawa at 2005.06.01 Wed
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