Korea 2019 #3

SONY RX0 II (ZEISS T* Tessar 7.9mm F4) / 2019.08.30 / Panmunjeom

こちらは宣誓書。場所が場所だけに、要約すると「万が一何かあっても責任は負えないので了承しろ」という書類にサインさせられます。 (Click to enlarge)

そして板門店へ。写真はあの有名な水色の建物が見える、韓国側の「自由の家」という建物の中から。我々が知っている板門店の光景は、微動だにしない警備兵が立っているというものですが、普段あの場所にそういう者はおらず、見学者が訪問した時だけあのような配置につくのだそう。写真はその警備兵が配置につこうと自由の家を出るところ。ここまでソウルからバスで1時間くらいでしょうか。途中、川沿いの道路を通りますが、対岸は北朝鮮ということもあり、鉄条網に厳重な警備という光景を目にします。地続きの国境がない日本では見ない光景です。写真の場へ辿り着くまでにいくつかの検問とパスポートチェック、見学の説明や宣誓書へのサインなどいくつかの行程があります。

軍事境界線("38度線"ではない)から北側・南側それぞれに2km(計4km)のベルト状の区域は「非武装中立地帯(DMZ)」と呼ばれていて、その中に「共同警備区域(JSA)」があり、我々が「板門店」と呼ぶ軍事停戦委員会本会議場があります(詳しくはWikipedaの「軍事境界線 (朝鮮半島) 」を参照ください)。このJSA内には、韓国と北朝鮮の境界を分断する厳重なものはなく、コンクリート製の段差や杭・看板等があるだけで、物理的には不可能でしょうが往来が可能な構造になっています。

韓国側のJSAの警備は、国連軍としての米軍と韓国軍が行っていて、今回の見学時は米軍が担当していました。濃度の高いサングラスを着けているのは、北朝鮮兵にどこを見ているかわからないようにするため。また、韓国軍の兵士は経済的に恵まれた(北朝鮮へ亡命しないであろう)エリート兵が充てられるそうです。見学する私たちは服装のほか、北朝鮮側にいる人を刺激しない行動を求められます。例えば、指を指したり、手を振ったりは禁止。すべては何かが起こった時に、それを正当化させる口実を与えないため。そういう意味ではとてもピリピリとした空気が漂うっていた気がします。私の人生(概ね穏やかな人生)に限っていえば、そのピリピリレベルは人生最高でした。

Posted by Kazuya Nakazawa at 2020.07.10 Fri