Tokyo #857
Elmar 5cm F3.5を沈胴させたままのような姿のElmar 3.5cm F3.5。発売当時は明るい35mmレンズでしたが、今となってはこれ以上に暗いレンズはなかなかありません。それらの明るい35mmと比べて勝っているのは、これ以上小さく作るのは難しいほどのコンパクトなスタイル。ほぼ同時期に発売されていたHektor 2.8cm F6.3にも通ずるものがあります。開放付近だと周辺部にはピントすら来ていない写りではあるものの、中心部はしっかり写ります。Elmarらしい柔らかい描写とシャドウの深いトーンがM Monochromとの相性がとてもよいレンズではないでしょうか。フィルムの時代と比べ、ISO感度設定に自由度の高いデジタルボディだと、このレンズで十分に夜の撮影が行えますね。生産本数も多く、沈胴Elmar 5cmと同様に比較的手頃な価格で入手できます。
Posted by Kazuya Nakazawa at 2020.09.26 Sat